全国農村教育協会主催
「昆虫探検図鑑1600」著者
川邊透と行く昆虫探検
2015年8月22日
場所:東京都八王子市長池公園

講師:川邊透昆虫エクスプローラ管理人)
 
まだ蒸し暑さの続く8月22日、多摩丘陵に造られた自然公園「八王子市長池公園」にて、ちょっと変わった昆虫観察会が開催されました。
講師は大人気昆虫サイト「昆虫エクスプローラ」管理人の川邊透さん。
ゆっくりと公園内を進む川邊さんの後ろに続いて、参加者の皆さんも歩いています。
しかしそのなかには、川邊さんとは別の方を見ている人も少なくありません。
そして昆虫観察会なのに、捕虫網を持っている人は一人もいません。
代わりに皆さんが持っているのは…カメラと、スマートフォン?
この観察会は
「川邊さんの提唱する『昆虫探検』を実際に体験してもらいながら、著書『昆虫探検図鑑1600 -写真検索マトリックス-』を使って見つけた昆虫の名前を調べてもらう」
というコンセプトで開催されました。
昆虫探検図鑑1600
川邊透/著
B5判
368ページ
定価3,700円+税
ISBN978-4-88137-173-2
書籍情報・購入は
こちらから!
ここでいう昆虫探検とは「身近な虫たちに目とレンズを向け、名前を知り、かたちを観ることで昆虫たちの世界にちょっとだけお邪魔する」といったライトな昆虫観察のことです。
今回は、午前中は野外で「昆虫探検」、午後は室内で名前調べと講演会という、2本立ての豪華なイベントでした。
当日のようすを簡単にレポートいたします。
なお今回はオブザーバーとして、「昆虫博士入門」著者の山崎秀雄先生、昆虫写真家の森上信夫さん、ならびに長池公園自然館の皆さんにもご参加いただきました。
八王子市長池公園の地図(長池公園自然館HPより借用)
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朝10時、レクチャールームにて簡単な説明が行われた後、全員で長池公園自然館を出発しました。
すでに気温は30℃をまわっており、セミの声が暑さを倍増させます。
初めのうちは全員で川邊さんを囲みながら移動していたのですが、すぐにそれぞれ散らばりはじめ、おのおのが「昆虫がいそうだな…」と思うところをのぞき込み始めます。
やがてあちらこちらから「見つけた!」の声が。
アカボシゴマダラを撮る皆さん
クワカミキリを撮る皆さん
1人がなにか昆虫を見つけると、皆さんが我も我もと押し寄せて写真を撮るので、虫たちもちょっと驚いているようす。
そんな写真の中から、皆さんの自信作をたくさん送っていただいたので、紹介していきたいと思います。
(無記名のものは、匿名希望の方からの応募写真です。)
マダラマルハヒロズコガ幼虫(荻原健二)
キスジホソマダラ
エゴヒゲナガゾウムシ(近藤佳幸)
       
スジボソフトハナバチ(川邊透)
     
スズキナガハナアブ
       
オオクモヘリカメムシ(近藤佳幸)
 
ミカドアリバチ(近藤佳幸)
 
ウスモンオトシブミ
今回は「虫とツーショット―自撮りにチャレンジ! 虫といっしょ」(文一総合出版)などの著書で注目されている昆虫写真家・森上信夫さんがオブザーバーとして参加して下さったため、皆さんいつもよりも写真の構図や採り方にこだわっているようでした。
前半戦で人気が高かったのがアカボシゴマダラの幼虫。
葉の上でポーズをとるようすが可愛らしく、表情のユニークさも加わってついついシャッターを切りたくなります。
アカボシゴマダラ幼虫(矢島悠子)
(大野透)
今回は何種類かの幼虫も見つかり、ある人は全体像、ある人は顔のアップなど、思い思いに撮影を楽しんでいました。
イラガ幼虫
アケビコノハ幼虫
幼虫たちの生態やかたち、表情の豊かさに皆さんも惹かれているようすでした。
噂によると、川邊さんは次回作に「幼虫の図鑑」を計画しているとのこと。楽しみですね!
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後半戦の人気者は、茶色と黒のボディに凶悪な面構えが悪役感を醸し出すチャイロスズメバチ。
他種のスズメバチの巣を襲って乗っ取るという生態で食物連鎖の頂点に君臨するこのハチは、豊かな自然環境が保たれている所にしか棲息できず、もともと分布域が限られるうえに、近年その数をさらに減らしているといいます。
チャイロスズメバチ(榊映一)
(近藤佳幸)
初めてみたという人も多く、皆さん恐る恐る近づいてシャッターを切っていました。
(※編集部より:ハチ類の撮影は危険を伴います。万全の注意の上、無理しないようにお願いいたします。)
この後、1時間の昼食休憩となりましたが、食事の時間を惜しんで昆虫探しをする方も多く、改めて皆さんの昆虫への愛を実感しました。
昼食休憩の後は、レクチャールームに戻って、撮影した昆虫たちの名前調べを行いました。
全員で名前を調べる
皆さんの撮られた写真をスクリーンに映し出し、即席のクイズ大会も行われました。
最年少参加者(10歳)のAくんの大活躍もあって、無事すべての昆虫の名前調べを完了することができました。
講演中の川邊さん
その後、川邊さんによる講演会も開催。
効率化をきわめた川邊さんの装備の一覧や、昆虫探検のコツ、さらには昆虫探検の実績ポイントやそこで見られる昆虫たちについても惜しげもなく公開され、皆さん熱心に聞き入っていました。
最初のクイズ大会の時間を長めにとってしまったため、終了予定時間の15時を1時間ほどもオーバーしてしまいましたが、多くの方が最後までお付き合い下さり、無事はじめての昆虫探検イベントを終了することができました。

終了後、皆さんから頂いたアンケートを一部紹介させていただきます。
丸まったササの葉、端が折れているヤマノイモの葉・・・自分ひとりではつい見過ごしてしまいがちな中に、いろいろいました。
虫目をお持ちの方々と一緒に歩くと、本当に発見が多いと改めて感じました。
午後の川邊さんのお話は、どれも興味深いものでしたが、特に「<カワベ式>昆虫探検のコツ」には、昆虫探検の楽しさが溢れていると感じました。(Yさん・60代女性)
今まで見たくても見つからなかったものだけではなく、全く知らない存在だったものも皆さんのおかげで見ることができ、とても嬉しかったです。ぜひ、またこのようなイベントがありましたら参加させていただきたいです。(Cさん・20代女性)
昆虫探検のノウハウ的な話(特に便利なグッズ)をたくさん聞くことができ、とても嬉しかったです。まさに、このような講義を受けたいと、前から思っていました。
昆虫(特に幼虫)の顔の面白さを、改めて再発見させていただきました。今後、観察会で子どもたちを案内する際、常に視野に入れたいと思います。(Sさん・50代男性)
川邊さん、オブザーバーの皆さん、長池公園自然館の皆さん、そしてご参加いただいた皆さん、本当にありがとうございました。

ご参加いただいた皆様が、当日のようすをブログに掲載して下さっています。
こちらもぜひご覧ください!
「そろそろ帰ろう 〜ぜふのムシブロ〜」
「yopikoの、たなばた日記」
「ネコな日々」

(レポートまとめ:全国農村教育協会 脇本哲朗)
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