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毒グモ騒動の真実
−セアカゴケグモの侵入と拡散−

清水裕行・金沢 至・西川喜朗/著
A5判 198ページ
カラー口絵4ページ
定価1,800円+税
ISBN978-4-88137-165-7
「faura」No.37
「日経サイエンス」2012年11月号
   
バブルが崩壊した20世紀末の1995(平成7)年は、大きな出来事が続いた年でした。1月17日に阪神淡路大震災が起き、3月20日にはオウム真理教による地下鉄サリン事件が起こりました。大事件はもう終りかと思い始めた9月、大阪で外来生物の毒グモ・セアカゴケグモが発見され、毒グモ騒動が勃発しました。外来生物法(特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律)もまだない時代のことで、「咬まれたら死ぬ」「いや、おとなしいから大丈夫」などの不確実な情報に踊らされ、正しい科学的知識に基づいて「いかに対応すべきか」という最も肝心な問題があいまいなまま、マスコミは興味を失い、事実上の幕が下ろされました。この間およそ15年、セアカゴケグモは列島各地に生息域を拡大し、ハイイロゴケグモ、アカオビゴケグモ、クロゴケグモ、ツヤクロゴケグモも新たに発見されて、現在では23都府県で5種の毒グモが確認されています。毒グモの危険は去るどころか、逆に拡大しているのです。

本書の特長

加速度的に増加する外来生物、クモ類に対する悪印象、熱しやすく冷めやすいマスコミなど、「毒グモ騒動」には日本特有の問題が凝縮され、文化史的にも興味深い現象です。本書の著者清水・金沢・西川は、いずれも生物専門家として毒グモの発見当初から関わってきました。発見当初からの緻密なデータに基づき、「毒グモ騒動」に見られる未知の外来生物に対する日本人の典型的な反応を分析し、外来生物と人間社会のあり方を深く検証します。

本書の内容

カラー図版 図版4,図版5
第1章 セアカゴケグモの発見と波紋
第2章 ゴケグモとはどのようなクモか
第3章 1996年以降の分布拡大
第4章 社会現象としての「毒グモ騒動」
第5章 外来生物としてのゴケグモとの付き合い方
第6章 クモと日本人
資料1 ゴケグモ類による咬傷被害例
資料2 ゴケグモ類に関する参考文献
資料3 ゴケグモ類を対象とした新聞報道・インターネット一覧