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ダニと新興再興感染症

   
SADI組織委員会/編集
A4版 300ページ カラー口絵4ページ 定価 5,200円+税
ISBN978-4-88137-127-5
 
SADI
  SADIは“Seminar on Acari-Diseases Interface”の頭文字をとったもので「ダニと疾患のインターフェイスに関するセミナー」のこと。1992年、国立予防衛生研究所(現国立感染症研究所)の希少感染症研修会での「日本紅斑熱に関する講演・討論」を出発点として1993年に発会した。ダニ媒介性疾患の基礎から臨床まで、ベクターサイドと臨床の幅広い研究者が知見を共有することを目的に、各分野の専門家が集まって毎年開催されている。
12年の研究成果を結集
  SADI刊「ダニと疾患のインターフェイス」から12年が経過したが、その間のSADIの進歩には目覚しいものがある。研究対象、研究領域が広がり、その内容も深みを増している。これら、12年間の研究成果を結集し、高い学術レベルで先進性のあるものとしてまとめあげたのが、本書「ダニと新興再興感染症」である。
本書の内容と特色
幅広いダニ起因性疾患を登載
  リケッチア、バベシア、パスツレラ、ボレリア、トリパノソーマ、ヒゼンダニ(疥癬)、エーリッキア、コクシエラ、ダニアレルギー、アナプラズマ、バルトネラ 
広い視野で網羅的に解説
  類似既刊本と異なり、新興再興関係の疾患について教科書的な解説にとどまらず、まず史的に概観することで視野を広げ、次いで第一線研究者による研究成果(論文形式)で知見を網羅的に紹介する。感染症に含まれない疾患についても、ダニあるいは昆虫起因性で関連の深いものを取り上げた。
詳細な文献
  論文ごとに詳細な文献を付し、感染症実務畑の読者にとっては文献集としての価値も大きい。この点で、定説しか記述されない教科書や参考書より、はるかに有用性が大きい。
ベクター・起因種の生物学を前面に配置
  医学系既刊本とは、次の点で大きく異なる。すなわち、関係疾患のベクターないし起因するダニ類の生物学が前面に配置されているので、環境の中での感染源の意義が理解しやすい。とりわけ、ツツガムシとマダニについては写真・細密画・検索表により実践的な分類学の指針として高い機能を持ち、実用的な図鑑としての機能をもあわせ持っている。
多くの関連分野で広く活用
  基礎から臨床までが有機的につながった構成になっているので、研究者はもとより、衛生行政関係者から学生まで、また医学、獣医学から環境保健分野まで、関連のあらゆる分野で広く活用できる。
「仮説と展望」
  各論題ごとに「仮説と展望」の項を設け、将来に向けた前向きの意見や警鐘を述べてある点は、読者にとって示唆されるところ大と信じられる。
目  次
1. ダニと新興再興感染症の史的概観
  ・日本紅斑熱−新興感染症の黎明
・つつが虫病−再興感染症の波紋
・ライム病−野口英世に学ぶ
・疥癬(Scabies)の歴史
・伝染病予防法から感染症法へ
・わが国の医ダニ学−ベクターの勃興
2. ダニの基礎医学
  1 医ダニ類の分類と性状
・日本産ツツガムシの種類と検索表・日本産マダニの種類と幼若期の検索     
・ダニ類の分子生物学的手法による分類
・マダニの微細構造と病原体検出
・マダニ成分の分子生理学

2 医ダニ類による直接的傷害性
・ダニ類による刺症
・疥癬の臨床と実験
・ダニとアレルギー疾患
・ダニによる皮膚炎−マウスをモデルとして
3. ダニ媒介性新興再興感染症
  1 多彩な細菌感染症
1) 拡大する日本紅斑熱
・日本紅斑熱−臨床の最前線
・日本紅斑熱の病理
・マダニ類から検出されるリケッチアの多様性
3.  
  2) 衰えないツツガムシ病
・つつが虫病原体の知見−より良い検査へ向けて
・ツツガムシ病重症化にみる臨床の新たな視点
・つつが虫病−多種多彩な疫学
3) 潜在するエーリキア症関連群
4) 多彩なライム病
・ライム病−臨床対応の実態
・ライム病−臨床の最前線
・ライム病ボレリアの多様性
・ライム病媒介マダニの地理病理学
5) 回帰熱の現状
6) Q熱の現状と課題
7) ダニ類を含む動物由来感染症としての野兎病

2 警戒すべきウイルス感染症
・ダニ媒介性脳炎の現状と今後
・マダニが関わる出血熱とウエストナイル熱

3 新たな原虫感染症
・ヒトバベシア症の新展開
・日本のマダニ媒介性トリパノソーマ
4. 関連トピックス
  ・バイオテロリズムとダニ媒介性感染症   
・獣医学から見たダニ媒介性疾患
・吸血昆虫と新興感染症
付録 日本産ツツガムシの検索表
   
【正誤表】